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オイコクレジット・ジャパン~出資でできる国際協力

私たちは、オランダに本部を置く<開発協力のための協同組合>オイコクレジットの、日本で唯一の支援組織(SA)です。

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カンボジアにおける多重債務問題調査レポート 

『カンボジアのマイクロファイナンスの借り手の債務過剰の要因研究
:マイクロファイナンス飽和地域に関する詳細調査』


カンボジアのマイクロファイナンス・セクターはこの10年間で目覚ましい発展を遂げ、融資額は300万米ドル、借り手5万人(1995年)から、7億3200万米ドル、借り手119万7722人(2012年)に増えました。マイクロファイナンス業者数は現在32ありますが、近年、マイクロファイナンス機関同士の競争が激化しており、借り手が複数のマイクロファイナンス機関からお金を借り、債務過多に陥っているのではないか、という懸念が生じています。

カンボジアのマイクロファイナンス・セクターが財務面で安定するためには、多重ローン(定義:ローン提供者に関係なく一つを超えたローンを抱えていること)の現状や、返済能力において借り手が抱えている可能性がある困難さの程度、そして債務過剰の存在と背景要因を評価することが不可欠です。さらに重要なのは、これらの問題は、貧しく、社会的に最も弱い立場に置かれたマイクロファイナンス機関の借り手の社会経済的な福祉にとって肝心なことです。問題は、一般的にこういったデータが計画的に集められてはいないし、モニターもされていないことです。

そこで、カンボジアの三つの中心的な国際投資団体(Blue Orchard Finance、 Incofin Investment Manager、オイコクレジット)が共同で資金を出し合い、カンボジアの8つのノンバンク・マイクロファイナンス機関(AMK, Amret, HKL, KREDIT, PRASAC, Sathapana, TPC, VisionFund Cambodia)の協力で調査を行いました。この8つのマイクロファイナンス機関の顧客は、カンボジアの全顧客者数の77%を占めています。

客観的定義では、マイクロファイナンスの借り手は、彼または彼女の一定の期間内の返済額合計が、彼または彼女の純収入より多い場合には、それが一つかまたは複数のローンかに関係なく、債務過剰であると判断しました。純負債指数(NII)は借り手が債務過剰である場合に利用しました。その計算式は、

純負債指数の計算式=事業と世帯の全負債に対する毎月の一回分払込金額          
              毎月の純収入(事業および世帯収入-返済額を除く事業および世帯

・純債務過剰指数 >100%:支払い不能(破産)
・純債務過剰指数  76~100%:危機的
・純債務過剰指数 ≦75%:支払い能力あり


調査結果については、下記のサマリー参照ください。

・調査結果によると、カンボジアの14,074の村の中で:6%(914の村)がサービス過剰、つまり市場の普及率が100%を超えていることが分かりました。9%(1260の村)は普及率が75-100%で、非常に高く。17%(2444の村)は普及率50-75%で高いと定義されました。62%(多数)の村の普及率は25-50%で中ぐらいか、または(25%よりも少なく)低いと定義されました。また、6%(914の村)では全く普及していませんでした。

・サービス過剰の914の村のなかの44の村では八つのマイクロファイナンス機関はすべてサービス提供が重なっており、本調査はこの44の村を対象に実施されました。

・10266名の顧客のデータを合わせたデータベースを作り、統合データベースから無作為に1500名の顧客サンプルを選び、ローン数、場所、マイクロファイナンス機関等によって分類。さらに、八つのマイクロファイナンス・パートナー機関のローンファイルから、これら1500名の個々のデータが集められ、それぞれの顧客の純債務過多指数が計算され、債務過多の顧客が特定されました。

・サンプル内の借り手の多数(56%)が“支払い能力あり”という結果になりました。これは月ごとの負債支払額がひと月の純収入の75%を超えていないことを意味します。サンプルのうち、12%の借り手が“危機的”、22%が“支払い不能”でした。また、10%が収入データを入手できなかったために分類できませんでした。

・サンプルのうち1326名の借り手7の56%が二つ以上のローンを抱えていました:
28%が二つ、13%が3つ、9%が4つ、6%が4つを超えていました。
支払い不能の割合は、ローン二つの場合20%、三つの場合48%、四つの場合70%、五つ
の場合84%、6つは94%、7つは100%が支払い不能でした。

・ローンサイクルが増えるほど、支払い不能債務者の割合も増加しました。初めてローンを受けている借り手では、5%が支払い不能でしたが、この割合は第2サイクルになると16%になり、8ローンサイクルの67%を最高に、増え続けました。

・借入回数の多い借り手ほど、融資残高が多くなりがちで債務過剰の傾向がありました。初回の借り手の場合、平均ローン残高数は1.2ローンでしたが、この数字は2度目の借り手の場合は1.5に増え、8回目の3.3ローンを最高に増え続けました。


・支払い不能になった借り手は平均的借り手よりもはるかに高い債務レベルでした。
→支払い不能者の場合2461米ドルに対して平均的借り手の場合1496米ドル
 と同時に、平均よりも低い純収入でした。
→支払い不能者108米ドル/月に対して平均は204米ドル/月

・農業活動に従事している借り手の場合、30%が支払い不能でしたが、非農業活動者の
場合は21%と低く、賃金を得ている場合は18%でした。

・複数のローンを抱えることにより、借り手が債務過剰に陥る確率が増えます。特に、三つかそれ以上のローン残高がある借り手の場合にはその確率は6倍に跳ね上がります。

・調査を受けた51%の借り手(237名)が、期限通りに少額融資を返済するのに苦労したと回答しました(そのうち45%が何回か苦労、6%はほぼ毎回苦労、1%に満たない人がいつも苦労)。

・ローン返済に苦労したこれら227名(全面接者の49%)の借り手らは、ローンを返済するために過去12カ月の間に最低1回生活水準を犠牲にしていました。けれども、その犠牲が受け入れ難いと感じたのはそのうち32名(全回答者の7%)だけでした。こういった受け入れ難い犠牲を何度も払ったことがある借り手は27名(すべての借り手の6%)だけでしたが、主観的定義に基づいて債務過剰とされました。

・マイクロファイナンスの借り手に一番共通する犠牲と対処方法は、食事の質を下げる(48%)か、食事の量を減らす(44%)ことです。借り手の四分の一以上(27%)が、家族を村の外に出稼ぎに行かせて返済に間に合わせていました。また、25%がローンの返済に充てるために、この12ヶ月間、貯金を取り崩したと答え、また、23%が今のローンを返済するために新たなローンを組んだと答えました。

これらすべての調査結果から今後に生かすべきこと

今回の、客観的および主観的両方の評価に基づいた債務過剰の潜在的要因に関する詳しい調査は首尾一貫して多重債務を指摘しています。つまり、複数、特に三つ以上ローンを抱えている顧客は支払い不能、または返済に苦しんでいる傾向がありました。

今回の報告書の調査結果をみると、カンボジアのマイクロファイナンス産業の全アクターたち(マイクロファイナンス機関、貸し手、NBC、クレジット局)はお互い協力し合って、国内でもっとも地域に密着したレベル(村など)において、市場普及率と多重債務を定期的にモニターして、債務過剰を防ぐために多重の借入の最高限度に関するしっかりとしたガイドラインを決める方法について議論を始める必要があることが分かります。

目下、十分検討を要する領域は、

ⅰ)業界レベルでの多重の借金に関するガイドライン
ⅱ)融資を受けた事業からの収益で利子の返済ができることを確かめるための正確な返済能力分析
ⅲ)ローンの更新にあたって、マイクロファイナンスの借り手の収入の変動性を考慮したクレジット評価の強化

この報告書が、マイクロファイナンス機関や貸し手、投資家や政策決定者が、どのように社会的責任のある方法で多重の借金を管理すべきかについて、創造的で開かれた国内議論を始める第一歩になることを願っています。
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( 2013/06/03 19:22 ) Category 最近のニュース | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

オイコクレジット・ジャパン

Author:オイコクレジット・ジャパン
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世界には、勤勉に働きながら、なんとか生計を維持することしかできず、貧困から脱却できない人々がいます。また、地域の人々が必要とする有益なサービスを提供しながら、それを拡大できない事業があります。

他方で、余剰資金を有意義な活動に活かしたいと考えている市民、一般の金融機関を通すと、地球や地域社会に有害な私達が望まない活動に流用されるかもしれないことを不愉快に感じている地球市民も数多くいます。

Oikocreditは、この両者をつなぐ「社会的責任投資」のための国際組織です。心ある人々から出資を募り、貧困からの脱出に日々努力している人々や、地域社会の発展に有益な事業にとりくむ人々に、地域社会への恩恵の還元や女性の社会的地位の向上といった独自の基準を適用して投資をおこなっています。

皆さんも、この「Investment in People(支援する価値のある人々への投資)」に参加し、お金の流れをかえて行きませんか?

オイコクレジット・ジャパンは、Oikocreditの日本における支援組織(サポート・アソシエーション)です。

代表 岡本眞理子
(日本福祉大学国際福祉開発学部教授)

連絡先
<事務局>
〒564-0051
大阪府吹田市豊津町43-27
小吹岳志気付

Tel/Fax:06-6339-3983
E-mail: japan@oikocredit.org



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