Blanca Mendez(後左)、オイコクレジット出資者とセネガルの生協Copex Sudのメンバーたちと社会見返りの評価は、財務面での見返りの評価に比べると、わかりにくい面があります。オイコクレジットにとっては、パートナーの働きによって社会が受けた恩恵を知ることが常に最優先事項です。オイコクレジット・インターナショナルの情報担当役員Blanca Mendezさんは最近オイコクレジットの出資者やボランティアたちとセネガルを訪問し、同国におけるオイコクレジット業務の与える影響を直接見てきました。
オイコクレジットはなぜセネガルで活動しているのですか?セネガルは西アフリカでは最も安定した国のひとつですが、依然としてかなり貧しく国民の半数以上が貧困線以下の生活をしています。約75%の国民が農業に従事しているにもかかわらず、国内の農村地帯の多くでは、電気、飲料水、農業機器、灌漑設備などは整備されていないのが現状です。そのような理由からオイコクレジットは、農業ビジネスに投資し、国全体に包括的金融支援を提供するためにセネガルに事務所を開設しました。これまでのところ、農業関係企業とマイクロファイナンス機関に対して、ほぼ2200万ユーロを投資し、セネガルの人々の生活向上ための資金利用を可能にしてきました。
セネガルで見た社会的影響はどのようなものでしょうか?滞在中私たちは国内で最も貧困な地方であるカザマンス(Casamance)の南方、ジガンショール(Ziguichor)へ飛びました。そこでオイコクレジット・パートナーであるU-IMCECを訪問しました。U-IMCECは生活協同組合をベースとしたマイクロファイナンス機関でセネガル内の4地域に8支店を置いています。同社スタッフは、この地域ではほとんどの住民は銀行ローンを組むことができず、貯蓄もないため、マイクロファインアンスに対する莫大な需要が存在することを語ってくれました。私たちはU-IMCECの顧客であるBineta Dialloさんに会いました。彼女は、読み書きができないにもかかわらず、布地と織物の小売店を営み、4人の女性を雇っています。Binetaさんは4年前に起業するためにU-IMCECから融資を受け、その後事業を拡大してきました。この事業によりBinetaさんは子供たちを学校に行かせることができ、長女は大学にも行きました。私にとってそれは、融資が個人の生活とその家族に与える影響を見事に示すものでした。
オイコクレジットはその地域の発展にどのように貢献しているのでしょうか?カザマンスの農村地方では、高等教育を受けていない住民たちにとっては未だ農業だけが収入源です。セネガル担当マネージャー、Sambou Colyさんは、この地域の多くの農民がマンゴーを栽培していますが、生産されたマンゴーを売る市場がなく、その75%が廃棄されているという現実を目の当たりにしました。そこでSambouさんは、地域の栽培者たちを連携させて生活協同組合を作るよう支援することを思いつきました。その生協が現在のCopex Sudです。農民たちが価値連鎖を実践できるよう、Sambouさんとオイコクレジットの出資担当者は、マンゴーを輸出用に加工するための会社、Les Saveurs du Sud、の立ち上げに力を貸しました。現在2000人の組合員を擁するこの生活協同組合は、追加のキャパシティ・ビルディング(能力強化)支援を得て、加工、乾燥用の新鮮なマンゴーを出荷し、年間を通じて、大半が女性である150人の雇用を維持したいと思っています。オイコクレジットが生活協同組合と協働する条件の一つは、女性に土地を自己所有する権利を与えることでした。これはこの地域にとって大きな社会的発展であるといえましょう。
食糧の安定確保と現金収入の維持は、セネガルにおける重大な関心事であるので、オイコクレジットは引き続き包括的金融支援と、農業分野への投資に重点的取り組んでいきます。そしてセネガル国内の新しい地域に活動範囲を広げ、それが国全体へのより大きな貢献へとつながるはずです。
セネガルへの研修ツアーについては、
www.oikocredi.org/en/micorofinance-in-the-field をご覧ください。
(OikoInfo2013-01より)
翻訳協力:東京YWCAボランティアグループILV
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